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2011年4月 8日 (金)

朝日新聞「ネクストエージ」に掲載されました

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山の音がする。
 五十崎の自然を描写したガボーさんの言葉である。
 山々に囲まれ、清流、小田川が中心を流れるこの地は、
霧に包まれることも多く昔話の絵本のような幻想的
な風景が広がる。
 古来、紙すきの盛んな土地であったが、現在、残って
いる工場はわずか2軒。そこで2006年、中小企業
庁を中心とした「JAPANBRAND」育成支援事業の
助成を受け、パリのインテリア見本市に出展し、以前か
ら和紙に興味があったガボーさんと出会ったのである。
 彼がやって来たのは08年の夏。最初は「ゼロからのスタ
ートでした」と「五十崎社中」代表の齋藤宏之さんは話す。
 「和紙を使った壁紙を作ろうとしても設備がない。地
元の鉄工所の協力を得て、和紙を乾かしながらローラ
ーで巻いていく機械を造るところから始まりました」
 まさに地元を巻き込んでの一大プロジェクト。町の人も
ガボーさん一家を歓迎した。
ベジタリアンの彼らのために精進料理を作ったり、近所の
農家が野菜を差し入れたり……。その温かいもてなし
は、彼の創作活動に大きな影響を与えたようだ。
 小田川のほとりにある「天神産紙」を訪れると、しんと
した工場に、紙をすく音だけが響く。
 「気温や湿度によって、材料の配合も、紙をすく回数や
リズムも変わってきます。毎日が1年生です」と話す山
本咲子さんはこの道40年の80歳。小さな体が、紙をすい
ている時は大きく見える。 ガボーさんがまず挑戦し
たのが、「透かし手法」。すきたての和紙に水をかけると、
その部分だけ薄くなるのを利用して、模様を描く技法
だ。納得のいく模様が浮かび上がるまで、紙の厚さや水圧
を調整し、多い時では1日に100回以上も試行錯誤を
繰り返した。その度に、山本さんは彼の求める厚さに紙
をすき分けたのである。 「最初は何ができるんじゃ
ろう?と不思議でしたが、型を外すと着物の柄みたいな
きれいな模様が現れて、驚きました」(山本さん)
 言葉の壁はあっても、和紙に対する思いは同じだ。ガボ
ーさんも、「和紙は生き物。自然の素材だから、その日の天
候によって変わる。まずはそれを体で感じることが大切」
と話す。 次に試みたのは、ギルディングという金属箔で模様を
施す技法との融合。手すき和紙の柔らかな風合いと、
見る角度によってさまざまに表情を変える金属箔が
互いを引き立てあい、華麗な気品を感じさせるこの作品
は、日本とパリのエスプリの出合いを象徴している。雪の
結晶や樹木など、彼がこの地で感じ取ったモチーフもあ
り、マカオのホテルから壁紙の依頼も来ているという。
 「和紙という素材、五十崎の自然と人々は、新しい創作
への扉をいくつも開けてくれました。今後もさらなる実
験を一緒にしていきたい」(ガボーさん)
 「Ja-Gué-Na」というブランド名は、Japon(=日本)、
G u é r i s o n( = 癒やし)、Naturel (=自然)というフラ
ンス語の頭文字と、「職人じゃげな」という謙遜と矜持
を感じさせる五十崎の方言を重ねて付けられた。和紙
の魅力を世界に発信していくために出合った五十崎と
ガボーさんは、これからどんな物語を紡いでゆくのか楽
しみである。

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